人工臓器
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連続LDL吸着除去システムの最適設計
奥山 勉谷 敍孝高田 覚
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1988 年 17 巻 1 号 p. 254-257

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抄録
我々は、高脂血症の治療に広く用いられているデキストラン硫酸―セルロース吸着体(リポソーバー®)の高い選択性を生かしたまま、患者の病態にあわせ適量のコレステロール除去ができるシステムとして、2本の小型カラムを交互に用いる連続LDL吸着除去システムを開発した。本システムの設計にあたり、吸着体の特性が最も有効に利用できるようにするため、吸着過程の吸着速度の指標である総括物質移動係数を用い、患者を血液の1プールとする本システムに対するモデルを基にシミュレーション計算による検討を行った。システムの吸着効率が患者の体重や初期コレステロール濃度にあまり影響を受けないことを確認した後、吸着効率が制約条件内で最有利となるようなカラム容積とカラム切り替え時機を決定した。以上の結果を基に設計した小型カラム専用コントローラ(MA-01)を用いた臨床結果と、シミュレーション計算による予測値は、良い一致を示した。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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