抄録
選択的に病因関連物質を除去しようといくつかの吸着材が開発され, Immusorba-PH (IM-PH), (IM-TR), Lyposorber, Biosynsorb, BR-601など臨床応用の段階にある。これら吸着材について, 患者に投薬され得る薬剤の吸着性能の基礎的実験検討を行った。
ゲンタマイシン:活性炭により全量吸着された。Lyposorberは57%吸着したが他の吸着材には著しい吸着は認められなかった。ジゴキシン:活性炭は全量, IM-PH, IM-TRは約半量, Lyposorberは1/4量, Biosynsorbは若干量を吸着した。アドレナリン:活性炭は全量, IM-TRは半量, 他は若干量を吸着した。ノルアドレナリン:活性炭は全量, 他は若干量を吸着した。
以上活性炭は無差別に薬剤を全量吸着し, 他の吸着剤は夫々選択性能に差がみられた。本研究成果は吸着療法の際考慮すべき資料を提供している。