人工臓器
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水溶性グラフト鎖を細孔表面に有する血漿分離膜の性能
大西 誠人藤井 立哉大沢 孝明三木 美幸黒田 慎一郎柳下 明増岡 登志夫
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1988 年 17 巻 1 号 p. 263-266

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抄録

細孔表面に水溶性グラフト鎖poly(N, N-dimethylacrylamide):pDMAAを有する親水性ポリプロピレン(PP)膜: PP-g-pDMAA膜を表面グラフト重合法により合成し、血漿分離膜としての基礎的評価を行なった。pDMAAの鎖長が長くなるにつれて膜の孔径は小さくなってゆくが、低グラフト率のPP-g-pDMAA膜は、基材として用いたPP膜の血漿分離能力を維持していた。補体系の活性化については、分離血漿中でC3a濃度の上昇が観察されたが、従来より活性化が軽微であるとされている疎水性のPP膜と同程度の量であった。水溶性グラフト鎖の体積排除効果に基づく吸着抑制作用に起因すると考えられるF. VIII: C, fbgの透過率の改善が見られた。血小板の粘着数・形態変化においても、基材として用いたPP膜と比較して改善されており、PP-g-pDMAA膜は血液適合性の優れた膜として有用である可能性を持っていることが示唆された。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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