人工臓器
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In Vitro実験による各種High Performance Membraneモジュールの性能評価
峰島 三千男星野 敏久江良 和雄佐々木 優里佐中 孜阿岸 鉄三太田 和夫
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1988 年 17 巻 1 号 p. 33-36

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抄録
β2-microglobulin (BMG)などの小分子蛋白を積極的に除去しようと開発された種々のhigh performance membraneモジュールの性能をin vitro実験をつうじ評価した。閉鎖循環回路系定速濾過実験の結果, 再生セルロース膜(RC), セルローストリアセテート膜(CTA)では原液血漿タンク中BMG濃度は一定値を保ったが, ポリスルホン(PS), ポリメチルメタアクリレート(PMMA)の合成膜で吸着現象がみられた。BMGのふるい係数の値ではRC 0.444, PS 0.516, CTA 0.924が得られたが, PMMAでは濾液中にBMGは検出されず, 吸着のみでBMGを除去していることが明らかとなった。吸着のないRC, CTAについてさらに閉鎖循環回路系透析実験を行ったところ, BMGの拡散のみによるクリアランスの値はRC 5.44, CTA 30.27ml/minとなり, それから得られる総括物質移動係数はRC 3.70, CTA 17.83μm/minとなり, CTAで強い拡散透過能が認められた。なお4種の膜とも濾液および透析液中にアルブミンは検出されなかった。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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