抄録
透析患者の長期生存にともない、従来の透析方法ではほとんど除去できない低分子蛋白領域の大分子量物質の蓄積が透析患者の長期予後に悪影響を与えることが明かになった。今回、Albuminを殆ど通過させず、B2-MGに高いS. C. を有するHigh performance membrane (HPM)をHemodiafilterとして用い、大量の重曹置換液を透析液より作成するOn-line HDFを施行し、B2-MGを最大限どれだけ除去できるかを検討した。HPMとしてF60 (polysulfone), H12-3000S (PAN, AN69)を使用しQB:200-300ml, QD:500ml/min, QF:4-5L/hr. 総交換液量15-20L/sessionの条件で6ケ月のhard HDFを試みた。B2-MGの1回除去量150-300mg、除去率50-70%で血中B2-MG濃度を10-20mg/L、約30%低下させることが可能であった。HPMとOn-line HDF systemで最大限1g/weekのB2-MGの除去が可能で、これ以上の除去は現時点での血液浄化法では不可能である。