人工臓器
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極超短波によるEMI(Electromagnetic Interference)のため作動停止したべースメーカー症例の検討
会田 博清水 健坂本 滋白川 尚哉金戸 善之豊田 恒良志波 知彦
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1988 年 17 巻 3 号 p. 1192-1195

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抄録
ペースメーカー(PM)植え込み後、極超短波によるEMIのため作動停止した3例を経験したので報告し、あわせて同機種を含めた3機種のPMに対するEMIの影響を実験的に検討した。作動停止したPMは3例ともCPI Delta 925であった。EMI発生源は整形外科リハビリテーションで使用するOG技研Microthermy ME 100, 50であった。照射後いずれもPMは作動停止となり、患者は幸い徐脈状態で致命的にはならなかった。programmerによりinterrogationを試みるも応答なく、Stat 1によりVVIを作動さ章ることができ、その後interrogationも可能となりDDD modeへ復帰できた。CPI Deltaは他機種に比し照射実験でもMicrothermyのEMIの影響を受けやすかった。EMIによるPM作動停止は致命的となりうるので、患者医療従事者ともにPMに対するEMIの影響について十分認識する必要があるといえる。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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