人工臓器
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バルーン付きヘパリン化親水性カテーテルによる腸間膜静脈ー門脈バイパス法
春臼 輝明中尾 昭公高木 弘二見 精彦野口 法康
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1989 年 18 巻 1 号 p. 109-112

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抄録

今回我々は門脈遮断時に門脈血を肝内に直接流入させるため, 従来のアンスロン門脈バイパス用カテーテルのー端にバルーンを取り付けた改良型門脈バイパス用カテーテル(バルーン付きアンスロンカテーテル)を開発した。これを用い雑種成犬で上腸間膜静脈-肝門部門脈バイパスを施行したところ, バイパス中上腸間膜静脈圧が上昇した以外術中の血行動態は安定しており, 肝機能, 凝固線溶系もほとんど変化せず実験犬は長期生存した。臨床では膵癌症例にこのカテーテルを用いて上腸間膜静脈-肝門部門脈バイパスを行い門脈合併拡大膵頭十二指腸切除を施行したが, 術中の血行動態は安定しており術後も良好な経過をたどった。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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