抄録
我々は治癒の良好な結合組織人工血管の開発を行ってきた。その中でその支持体の作成上の問題点を明らかにする必要が生じた。そこで以前より使用している緯二重織りで作成したwater porosity 3650の支持体と, ダブルデンビーという編み方で作成したwater porosity 1600の支持体を使用して結合組織管の治癒過程を比較検討した。それとともに, 耐ほつれ性のために行っている我々独自の起毛, water jet処理の有用性を織り, 編みに対して検討した。その結果, ダブルデンビーという編み方に起毛, water jet処理を施行すれば, 目ずれおよび型くずれがなく均一性を有し, かつ耐ほつれ性を獲得できることがわかった。その上, 結合織管の良好な治癒を得るために高有孔性である必要性があり, これらを兼ね備えることが結合織管の条件とされる。