抄録
開心術後IABP駆動中に血小板数は減少し時に大量の血小板輸血を必要とするが、その原因としてバルーンによる血球破壊が考えられる。当教室で昭和59年1月以降の開心術施行例中72時間以上IABPを使用した28例を対象とし、バルーン(B)と駆動装置(D)の組合せによりA群: Kontron-(B)-外科式40cc+Kontron-(D)-Model-10、B群: Aries-(B)-40cc or 30cc+Kontron-(D)-Model-10、C群: Aries-(B)-40cc or 30cc+Aries-(D)-M-700の3群に分け比較検討した。血小板輸血により駆動中の血小板数は各群とも9万/μl台に維持されたが、単位駆動時間当りの血小板輸血量はC群で最も多量を要し、この組合せで血小板破壊が強いと考えられた。またIABP駆動中より離脱後数日間、血小板分布幅は各群で拡大し血小板の形態的変化が示唆された。