人工臓器
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運動時の人工心臓拍出量の自動制御
―運動負荷量変動時の追従制御―
鎮西 恒雄前田 潔井街 宏阿部 裕輔今西 薫満渕 邦彦米沢 卓実藤正 巌渥美 和彦
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1989 年 18 巻 2 号 p. 615-618

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抄録
日常生活では運動量が時々刻々と変化し、それに応じて心拍出量も変動している。本研究の目的は、一定の運動のみならず変動する運動に対しても追従し得る人工心臓制御方法を開発することにある。
変動する運動量と心拍出量の関係を検討するため、自然心臓ヤギを用い、トレッドミル速度をあらかじめ設定したプログラムに従って変化させながら運動負荷を与えた。自然心ヤギの運動時心拍出量は運動負荷量の増減にともない、増加、減少それぞれの時定数をもって反応した。また、加速度センサー信号の実時間処理により得られる身体活動度は、変動する運動負荷量に対しても良い相関を示し、身体活動度を入力、目標心拍出量を出力とする予測系が作成され、さらに人工心臓制御のための制御アルゴリズムが構築された。本自動制御法を用いることにより人工心臓ヤギのトレッドミル負荷時の血行動態は、変動する運動負荷に対しても自然心臓ヤギのそれとほぼ同一のパターンを示した。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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