人工臓器
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レート可変型左右交互駆出方式人工心臓に於ける血液ポンプ左右容量差の必要性の検討
石川 幹夫内田 直樹渡辺 孝下光 輝一四津 良平小池 荘介那須 通寛江本 秀斗原崎 弘章能勢 之彦古川 欽一
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1989 年 18 巻 2 号 p. 629-632

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抄録
完全埋込型人工心臓開発にあたり, ただ一個のactuatorを用いて左右の血液ポンプを, 生体の需要に応じて変化する可変駆出回数で交互に駆動する方式(交互方式)は, 体内に埋め込む装置の容積を縮小する点で有用な方式である。しかし, 生体における必要心拍出量には10~15%の左右差があると言われている。交互方式人工心臓設計に際しこの点を考慮する必要があるか否かを検討した。2頭の牝子牛に気体駆動pusher-plate型血液ポンプを各々二個移植した。一頭には左右とも一回拍出量(SV)の等しいポンプを移植した(equal SV system)。他の一頭では左SVが右に比し10%大きいポンプを用いた(unequal SV system)。それぞれの動物に於て0.5~3, 5マイル/時の多段階運動負荷試験を, 三種類の駆出回数可変型制御方式を用いて行なった。多段階運動負荷試験から, LMAによる完全植込型人工心臓開発に際してはSVの異なる血液ポンプを考慮する心要は無い事が示唆された。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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