人工臓器
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三尖弁位人工弁置換術の手術および遠隔期の問題点
―先天性、後天性および使用人工弁からみた成績と問題点―
安倍 十三夫木村 希望渡辺 祝安浅井 康文数井 暉久小松 作蔵
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1989 年 18 巻 2 号 p. 782-785

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抄録
1977年1月~1988年7月末まで、三尖弁位に弁置換(TVR)症例は、先天性心疾患(CHD)12例(手術年令: 9~48歳、疾患別Ebstein病6例、VSD閉鎖術後TR4例、TOF根治後2例)、後天性心疾患(AHD)12例(手術年令: 38~69歳、MVR+TVR5例、ReMVR+TVR5例、AVR+MVR+TVR2例)であった。弁種別では生体弁15例(Hancock T6弁8例、Liotta弁3例、Hancock弁2例、Carpentia-Edwards弁1例、Intact弁1例)、機械弁10例(Duromedics弁7例、SJM弁3例、)である。手術成績ではCHDでは手術および遠隔期死亡は認めていない。1例に生体弁機能不全(術後116カ月)で機械弁(D-M弁)で再TVRを施行し症状改善を得た。AHDでは手術死亡及び遠隔死(術後5カ月)を各1例(心不全)に認めた。術後の血行動態、NYHA重症度分類および心胸郭比の変動でCHDの改善度は良好である。弁種別では生体弁の1例に弁機能不全、2例に軽度逆流を認めるも他は良好で、機械弁2例に血栓弁を認めた。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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