抄録
雑種成犬を用い肺胞低換気による急性呼吸不全モデルを作成し、新たに開発したポリプロピレン製外部灌流型膜型肺を用い、AVバイパス ポンプレスECMOによる比較的長時間呼吸補助を行い、呼吸補助施行前後の生体肺、低換気型急性呼吸不全モデルの生体肺を、それぞれ透過型電子顕微鏡により観察し比較検討した。その結果、本法による呼吸補助は肺の超微細構造面においても、呼吸不全による肺組織障害の進行を阻止する所見を認め、特にsurfactantの産生分泌に関与するとされるII型肺胞上皮細胞においては、比較的長時間の呼吸補助を施行することにより、その修復効果をも有するものと思われた。