人工臓器
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僧帽弁位Ionescu-Shiley弁機能不全の診断におけるPressure Half Timeと最大流入速度計測の意義
宮沢 総介松井 道彦杉田 洋一佐々木 達海森田 紀代造鈴木 和彦高倉 宏充小柳 勝司新井 達太
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1990 年 19 巻 1 号 p. 286-289

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抄録

Ionescu-Shiley弁を用いてMVRを施行した48例を対象として, 断層心エコー図・ドブラー法を用いて, 弁の経年変化について追跡した。その結果, 1. 明らかな弁尖肥厚は, 3年で4%, 4年で12.5%, 5年で38%, 6年で47%, 7年では61%の症例で認められた。2. 左室流入速度は1.0~1.5m/sであり, 正常に機能している限り, 不変であった。3. PHTは1年で84.2±21.9, 2年で86.7±15.8, 3年で9.1.0±17.4, 4年で99.3±29.7, 5年で101.3±24. 5, 6年で112.5±22.5, 7年で100.0±18.3msecと徐々に延長した。4. 弁機能不全を有する場合, 逆流を有する例では流入速度は速いが, PHTは正常であった。狭窄を有する例では, 流入速度が速く, かつPHTも延長していた。
Ionescu-Shiley弁の機能不全の診断では, 超音波ドプラー法が有用であり, 流入速度とPHTを計測することにより, 逆流と狭窄の定量的評価が可能である。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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