1990 年 19 巻 1 号 p. 308-310
1983年10月より1988年12月までに33症例に対して41個のMitroflow(M-F)生体弁を使用した。また、1975年6月より1988年12月までに126症例に対して153個のBjörk-Shiley(B-S)機械弁を使用し、その内66個に対しては1985年以後Monostrut弁を使用した。これらに対し、弁機能不全発生率、血栓塞栓症発生率、有効弁口面積を算出し検討した。
M-F弁は弁機能不全発生率においてB-S弁に比し不良な結果を示したが、血栓塞栓症非発生率及び有効弁口面積においてはB-S弁に比し良好な成績を示したことより、他の生体弁同様、耐久性に対して慎重に経過観察を行い高齢者、重症例、抗凝固療法が出来ない症例などの生体弁適応患者に対しては、今後もM-F弁の使用を考えている。