人工臓器
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Omnicarbon弁のシネ撮影及びドップラーエコー法による弁機能評価
石倉 義弥小田桐 重遠嶋津 明
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1990 年 19 巻 1 号 p. 331-334

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抄録

O-C弁を大動脈弁に8コ, 僧帽弁に23コ使用し, その弁機能につき臨床的に評価を行った。臨床症状の改善度は術前平均2.9度から術後平均1.2度と全例改善が見られた。Cineradiographyでの弁最大開放角度は大動脈弁位では70±4.08°, 僧帽弁位では56±1.37°であり, 僧帽弁位におけるnet flow area/orifice area比は85.4±1.6%と比較的良好であった。Doppler Echocardiographyによる弁口最大圧較差は大動脈弁位で平均18.38±30mmHg, 僧帽弁位で平均699±1.2mmHgであった。断層心エコー法と心機図による心機能評価では, 僧帽弁症例において五ADとQ-I時間が術後有意(P<0.01, 0.002)に改善が見られた。SVは両弁共に術後著明に減少したが有意差はなく, PEP/ET, EF, AODでは変化が見られなかった。最長4年の経過観察期間中に一例も血栓栓塞症などの合併症を見ておらず, O-C弁は臨床的に満足できる人工弁と考える。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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