人工臓器
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自動画像抽出を用いた人工弁機能運動解析システムの開発
太田 裕治土肥 健純堀内 孝鎮西 清行松本 博志井手 博文
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1990 年 19 巻 1 号 p. 335-338

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抄録

埋め込み後の人工弁機能を迅速かっ定量的に評価するために、自動データ入力・処理システムを開発した。本システムは、CCDカメラ、スーパインポーザ等を用い、シネフィルム上の弁画像から、弁・弁座の輪郭をパーソナルコンピュータに入力・処理することで、蘭放角、相対運動等の運動特性を定量的に把握するものである。また解析時間の短縮化を図るべく、弁画像に対し画像処理(2値化)を施すことで弁輪郭の自動抽出入力を試みたところ、輪郭自動抽出の成功率は75%であり、データ処理を自動化することが可能であった。実際に、本システムを用いて90フレーム分のシネフィルム弁画像を解析した所、画像処理による自動輪郭抽出を行わない手入力と比較して、22%の解析時間の短縮が実現した。また本システムにより、Medtronic Hall Valveを埋め込んだ臨床例について解析を行ったところ、63~66度の開放角が得られ、実用上十分な機能・精度を有することが判明した。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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