抄録
心拍応答型ペースメーカー(RRPM)は従来のPMに比べ身体の生理的要求に対応した心拍がつくり出されるためその普及は著しい。著者は心拍自体の解析がペーシング条件設定に重要であると考えてきたが, 最近Siemens社から出された体動型RRPM (Sensolog 703)に備えられた心拍Histogram機構は長時間にわたり心拍を集積し4分画に心拍配分しその分布形態から全体としてのペーシング状態の良否を判断するものである。12例の症例に本機を植込み, 対照として同年令層の健康人の日常生活の心拍Histogramと対比した。心拍Histogramは患者の愁訴, 心拍レート, RRPMの反応時間, 復帰時間の変動をよく反映し, RRペーシング条件設定の適否を容易に評価することができるよい指標と考えられた。健康人の心拍Histogramは, これが潤調律による分布型を示すので, よい標準分布パターンを示し, しかも4分画より5分画Histogramがより良い表示であることが示される。