1990 年 19 巻 1 号 p. 443-446
泉工医科工業が開発したメラエクセランαHPO-25RHF(以下エクセランα)は、外部潅流式中空糸膜型人工肺メラエクセランHPO-25(以下エクセラン)と吸引血用フィルター, 熱交換器, 静脈貯血槽を一体化した国産初の人工肺である。このエクセランαと同じ外部潅流式中空糸膜型人工肺Sarns 16310(以下Sa肺)とを体重60kg以上ならびに長時間の体外循環が予想される成人開心術症例に用い、充填量,血小板保存率, ガス交換能, 熱交換能, および操作性などについて両者を比較検討した。充填量はSa肺使用群に比べエクセランα使用群で有意に少なかった。血小板保存率は体外循環中を通してエクセランα使用群で高かった。体外循環中のPaO2, PaCO2値は両群とも良好な値を示した。圧力損失は流量6L/minでSa肺の180mmHgに対し、エクセランα90mmHgと低値であった。エクセランαはSa肺に比し圧力損失が少なく、血小板保存の点ですぐれ, 回路が簡素化でき、準備および操作が簡単であり、優れた人工肺であると思われる。