1990 年 19 巻 1 号 p. 447-450
成人開心術症例において, 吸引貯血槽が一体化された外部灌流型膜型人工肺メラエクセランα使用群(19例), 落差灌流方式の外部灌流型膜型人工肺であるキャピオックスE使用群(27例), さらに従来より使用されてきた気泡型肺としてWilliam Hervey H-1700使用群(19例)について, ガス交換能, 溶血, 血小板, 凝固系への影響について比較検討を加えた。充填量では, キャピオックスEが多かった。ガス交換能はキャピオックスE, メラエクセランαが, H-1700より安定していた。溶血に関しては, キャピオックスE使用群において統計学的に有意に多く, ヘモグロビン尿をきたした症例が多かった。体外循環60分後の血小板保存率では, 3人工肺間に有意差を認めなかった。凝固線溶系においても, 3人工肺間に有意差を認めなかった。