1990 年 19 巻 1 号 p. 451-454
気泡型と同様に落差脱血回路に膜型肺をおき拍動流体外循環を行なったCAPIOX-E使用群9例(C群)、H-1700使用群7例(H群)について比較検討した。1) PaO2、SaO2は復温中を含めた全経過を通じて347mmHg、99.4%を保っており両群ともに充分な酸素化能を示した。PaCO2はC群が高い傾向であったが有意差はなかった。2) 脈圧、平均動脈圧ともに両群には差はなかった。3) 体外循環中の血清遊離ヘモグロビン増加率はC群がH群に比し少なかったが、有意の差は認めなかった。4) 体外循環前後でC3はC群、C4はC群、CH50はH群で減少が多かったが、有意差は認めなかった。C3a、C4aは体外循環中に著明に増加した。C3aはC群、C4aはH群での増加が多かったが、いずれも両群間で有意の差はなかった。6) 充填液量はC群がH群に比し有意に少なかった。CAPIOX-Eは充分なガス交換能を有し、気泡型肺と同等の操作性を示した。捕体消費、活性化の面からは気泡型に比し必ずしも優れている圏とは言いきれなかった。