抄録
本研究では(1) 人工血管の創傷治癒過程における細胞社会と組織再構築を内腔面と外側面から概論し、(2) これらの時変数的な動的変化は同種及び異種の細胞コミュニティのinterplayによることを説明し・(3) interplayの基礎となる細胞外環境の設計が材料学的要素技術であることを提案した。(4) 細胞接着レセプターを分子認識する人工基底膜及び人工細胞外マトリックスの分子設計を紹介した。(5) より能動的なBioactive材料設計には液性因子(成長因子、新生血管誘導因子、遊走因子)を活性させる設計概念が組込まれていることが必要であり、組織工学や器官工学の基盤技術になることを強調した。