人工臓器
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BK-P膜、PAN-DX膜の血清蛋白吸着特性の検討
大坪 義信潤田 裕二上園 敦子永山 尚子山下 亙原田 隆二有馬 暉勝斎藤 明
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1991 年 20 巻 1 号 p. 32-34

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抄録
合成膜には蛋白吸着特性をもつものがあるが、吸着蛋白の種類・量などは明確でない。われわれは、これまでに血液透析に使用したBK-P(PMMA)膜・PAN-DX(PAN)膜に吸着している蛋白の剥離を8M尿素溶液による再灌流を行い報告してきたが、今回さらにBK-P膜は生理食塩水、PAN-DX膜は10% Dimethylsulfoxide(DMSO)溶液を用いて超音波洗浄による蛋白剥離を試みた。吸着蛋白の分析は2次元電気泳動に加えて、セルロースアセテート膜電気泳動・ゲル濾過にて検討した。同時にβ2-Microglobulin(β2-MG)・Lysozyme・Retinol-binding protein(RBP)の除去率・Sieving Coefficient(SC)を求め除去特性を検討した。BK-P膜はβ2-MG、PAN-DX膜はLysozymeに強い吸着性を認めた。吸着蛋白の分析では、2次元電気泳動・セルロースアセテート膜電気泳動・ゲル濾過ともにBK-P膜・PAN-DX膜で明らかに異なったパターンを示した。また溶出条件に超音波洗浄を加えて検討したが溶出蛋白の組成に大きな変化はなかった。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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