抄録
我々は、既にSepharoseCL4-BをHexamethylenediisocyanate(HMDI)で架橋し、Polyethyleneglycol(PEG)を担持させた吸着剤PC-1が、各種疾患起因因子を効率的に且つ、選択的に吸着除去することを報告した。しかし、PEGをリガンドとして担持させず、IIMDIの反応量のみを変化させた吸着剤、PC-2に於いても、同様に各種の疾患起因因子に対して高い吸着性能を示す事を見いだした。又、重症筋無力症の疾患起因因子と考えられている抗アセチルコリンレセプター抗体への吸着性能を、200mlのカラムを使用した臨床スケールで評価し、高い吸着特性が得られ、その臨床使用は充分期待できるものと示唆された。更に、PC-2へのlgGの吸着状態を高速液体クロマトグラフィーを用いて検討し、その吸着は疎水性結合と水素結合に起因していることがわかった。