1991 年 20 巻 3 号 p. 935-939
教室におけるSt. Jude Medical弁(以下、SJM弁)の遠隔成績を検討した。1980年1月より1990年4月までの期間のSJM弁による弁置換術122例を対象とした。大動脈弁置換術(AVR郡)26例、僧帽弁置換術(MVR)郡)75例、大動脈弁僧帽弁両弁置換術(DVR郡)21例であり、早期死亡はAVR郡、MVR郡、DVR郡でそれぞれ23.1%、8.0%、4.8%、であった。早期死亡を除く遠隔期追跡率は99.2%、追跡期間は425患者・年であり、遠隔期生存率は術後8年で各郡それぞれ81±13%、93±3%、63±26%であった。遠隔期合併症は血栓塞栓症2例の他、血栓弁、脳出血、paravalvular leakがそれぞれ1例ずつであり、術後10年における合併症非発生率は89±7%であった。以上より、教室におけるSJM弁置換術の遠隔成績は優秀であった。