人工臓器
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高度肺高血圧症例のSJM弁とOmmiscience弁によるMVR後の血行動態と人工弁機能の比較検討
合田 俊宏村上 達哉奥出 潤郷 一知松居 喜郎酒井 圭輔安田 慶秀田邊 達三
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1991 年 20 巻 3 号 p. 977-980

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抄録

肺動脈収縮期圧が60mmHg以上の高度PH症例がMVR後にどのような血行動態と弁機能を示すかをSJM群19例とOmniscience群7例とに分けて検討した。手術死亡はSJM群の2例(10.5%)に認めた。耐術例中SJM群16例とOS群全例で心カテーテルを施行し検討対象とした。術前のsPAP,mPAP, PVRIはSJM群:75.9±14.6, 49.6±6.6mmHg, 929±224dynes・sec。cm-5・m2に対してOS群:71.4±10.9, 45.4±3.9, 715±180であった。これらは心カテーテル時にはSJM群では各々42.7±9.1, 29.6±6.8, 418±134と改善していた(P<0.01)。OS群でも49.4±6.1, 31.4±3.7, 400±138と改善していた(P<0.01)。術直後にはSJM群の5例とOS群の1例でsPAPが50以下とならずPAWP, LAPも高値を保ったがNTGの投与によりPAWPLAP較差は有意に低下し,僧帽弁疾患のPHには肺静脈収縮も関与しているものと思われた。連続波ドップラー検査ではPHT, PV, PGはいずれもSJM群で良好な傾向があったが有意差はなかった。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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