In vitroにて、遠心ポンプの回転数、温度、循環流量および回路内圧が血球成分に与える損傷と、回転時に発生する熱量と温度差による溶血量の測定を行い、溶血増加の原因について検討した。また、BP-80を405例の体外循環に臨床使用したので、使用症例を分析し、更に血液損傷について、ローラーポンプ使用例と比較検討した。その結果、遠心ポンプの溶血に最も関係する因子は回転数と血液温度で、通常の場合、循環流量および圧力は影響が少ないと考えられた。
遠心ポンプは、完全な定常流であることから、高齢で高度の粥状硬化性病変を有する虚血性心疾患の体外循環に有利と考え使用した。操作性および安全性は、ローラーポンプと比較して優れていたが、体外循環中の血液有形成分に与える影響は、ローラーポンプ使用例と差は見られなかった。