過去7年間において、開心術あるいは、胸部大動脈瘤の手術後における重症心不全22例に対し、intraaortic balloon pumping (IABP)単独例を除く各種の人工血液ポンプを用いた機械的補助循環を行った。それらの原疾患は、虚血性心疾患9、胸部大動脈瘤6、弁膜疾患6、複雑心奇形1である。補助形態別にみると左心補助のみが8、右心補助のみ1、両心補助が13例である。22例の内21例に左心あるいは右心のいずれか、又は左心・右心の両心に遠心ポンプを使用した。IABPの併用は、左心に遠心ポンプを用いた症例に行った。
結果遠心ポンプ使用21例中3例がすべての血液ポンプ(左心、右心、または両心)から離脱できた。うち左心補助1例と両心補助1例の計2例が長期生存している。残りの1例は両心とも離脱し得たが術後1ヶ月目に失った。