抄録
高齢化社会に対応すべく、形状記憶合金による人工筋肉を応用した柔軟な動きをする内骨格型のマニピュレータ開発の第一歩として、動的解析を行ないながら種々の設計を行なうという新しい方法について述べている。すなわち、マニピュレータの駆動源である形状記憶合金人工筋肉は生体筋を模倣したものであり、その収縮特性も生体筋の”特性方程式”で近似されるが、この収縮特性は非線形であり特に外力が加わったときの収縮挙動は予測が困難である。したがって、先ず、マニピュレータをモデル化し、人工筋肉の収縮特性方程式を導入した運動方程式から運動力学的解析を行い、同時にCADの手法でマニピュレータの動きを動画として表現しつつさまざまな挙動が把握可能なシステムを構築している。また、その成果に基づく試作も紹介されている。最後に本システムの課題と応用についても述べている。