人工臓器
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微小炭素繊維電極とエレクトロンメデイエーターを用いた新しい皮下埋め込み型グルコースセンサーの開発とその応用
清水 義浩牧野 英一田代 亜彦吉田 尚國友 哲之輔
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1992 年 21 巻 1 号 p. 156-161

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抄録

我々は微細な炭素繊維電極(径:7μm)の束(1000本)を用いて電極活性表面が小さな孔の奥にある電極を開発した。この電極をミクロホール電極という。この電極は流れの影響を受けにくい、小型化が容易である、汚れにくいなどの特長を有する。この電極と電子メディエーターを用いて生体埋め込み可能なグルコースセンサーを試作した。このセンサーの先端に優れた抗血栓性膜であるpolyvinyl-chloride/polyethyleneoxide膜を被覆した。これを家兎の皮下、腹腔、静脈内に同時に埋め込み、、血糖値との比較を試みた。腹腔以外のセンサーは血漿ぶどう糖値の変化に対してよく追随した応答性を示した。腹腔センサーは出力が大きく揺れて不安定であった。電子メディエーターとミクロホール電極を利用したグルコースセンサーは生体体液中および血液中のブドウ糖濃度を連続に測定できる可能性が見い出された。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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