人工臓器
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Novacor左心補助人工心臓のBridge USeにおける右心機能変化
江石 清行Robert L KORMOS小柳 仁Bartley P GRIFFITH
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1992 年 21 巻 1 号 p. 59-67

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抄録

Novacor左心補助人工心臓(LVAS)植え込みを行った5例において, 経食道エコーとカテ先血圧計を用いた右室圧-断面積関係から右心機能の変化を調べた。LVAS植え込み後, 3例(Group A)は十分なポンプ拍出量を維持したが, 2例(Group B)は, 右心の一時的機械補助を必要とした。Performanceの指標とした仕事量-拡張末期断面積関係の傾きはGroup Aにおいて10.7mmHg(mean)から18.8へと改善したが, Group Bでは11.5から3.8へと減少した。拡張機能の指標とした拡張末期圧-断面積関係は両Groupにおいて下降し, 改善を示した。また全例において後負荷としての最大右室圧は著明に減少した。収縮機能の指標としたaEmaxはGroup Aにおいて2.53mmHg/cm2から3.70と増加し, Group Bでは3.8から3.6へと減少した。LVAS後, 右心室の拡張機能の改善, および右心後負荷の著減による仕事効率の改善が著明であった。右心不全の原因としては主に収縮機能の低下が示唆されたが, 急性期を乗り切った症例では, 経過とともに改善傾向を示し, LVASの本質的影響とは考えられなかった。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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