抄録
骨格筋駆動型人工心臓をカウンターパルセーション(CP)と心室バイパス(VB)として使用した場合、どちらへの応用が適性であるか模擬循環回路を用いて検討した。ポンプ拡張機能をみると、前負荷が高いCPではポンプ流入特性がよく骨格筋の拡張弛緩を促進し、結果的により大きなエネルギー出力が得られた。さらにポンプ拡張末期容量が多いため、ポンプ拍出容量(SV)も多かった。VBは心房脱血程度の前負荷では流入特性が悪くなり、心室脱血程度の前負荷では流入時間が短縮したものの、毎分60回以上の駆動ではSVは充分ではなかった。一方駆出機能では右心系レベルの後負荷であればSVは良好であったが、左心系レベルではSVがCPの68%に減少し、1回拍出仕事量は35%に低下した。以上から出力的にVBでは右心補助までが限界で、左心系の補助循環にはCPの方が血行動態への効果も良好でより適性であると思われた。