人工臓器
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体外式骨格筋刺激装置による心筋補強術
―慢性期の問題点に関する実験的検討―
田原 稔細田 泰之弘岡 泰正渡部 幹夫数井 学佐藤 健志高澤 賢次後藤 昌弘工藤 英範南 茂斉藤 司
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1992 年 21 巻 2 号 p. 367-371

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抄録
雑種成犬7頭を対象として慢性実験により、広背筋を利用した心筋補強術(Cardiomyoplasty)に関する検討を行った。Cardiomyoplasty用刺激装置として、携帯可能なサイズの体外式刺激装置(順天堂型骨格筋刺激装置:型式MC4102)を作成した。左第5肋間開胸下に有茎剥離した左広背筋を反時計回りに両心室表面にラッピングした。手術から2~4か月間慢性電気刺激を行った後の血行動態の変化は、刺激周波数50Hz、パルス幅4ms、出力電圧2.5v、刺激時間100msの条件でRVp:28±2.5→41±2.6mmHg、LVp:178±14→195±14mmHgであった。電磁血流計による内頸動脈血流は波形の変化を認めるものの血流量の有意な上昇は見られなかった。心室内圧上昇効果は壁の薄い右室で著明であったが左心系に対しては十分な効果が得られなっかた。また、刺激電極間インピーダンスの経時的上昇が認められ、ペーシングワイヤー電極に関する特別な工夫が必要であると考えられた。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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