我々は、拍動流を有する補助人工心臓と、ガス交換能を有する膜型人工肺の両者の利点を合わせ持つ補助循環装置を考案試作し、ブタの呼吸不全及び心不全モデルに対して、その効果を検討した。この装置の補助により血行動態の改善を示し、心不全状態から脱し、全身循環維持が充分可能であった。またPaO2, SaO2の上昇等の血液ガス分析データの改善もみられた。さらに、ヤギを用いた40時間の慢性実験においても、著明な溶血、血栓は認めなかった。以上より、この装置は、拍動流を有する補助人工心臓とガス交換能を有する人工肺の両者の利点を合わせ持つ補助循環法となり得、呼吸不全を合併した心不全症例などに臨床応用できる可能性が示唆された。