抄録
定常流に対する拍動流の優位性は灌流量によって差があり、低灌流量においては末梢血管抵抗の減少、主要臓器血流量の増加などといった拍動流の効果が失われると言われている。拍動流の効果が流れを構成する各周波数成分と生体血管の周波数特性の相互関係において生ずるものと仮定すると、流れの周波数成分を変化させれば低灌流量においても前述の効果を得られる可能性がある。本研究では低灌流量条件の完全左心バイパス実験に、電磁駆動振動流ポンプ(VEMP)の心拍数より高い基本周波数成分を持つ高頻度振動流を用いて拍動流と比較検討した。その結果、低灌流量条件における高頻度振動流下では末梢血管抵抗や頸動脈流量、鎖骨下動脈流量が駆動周波数に依存して変動した。特に頸動脈流量は7Hzと15Hzの高頻度振動流下において拍動流の場合より有意に増加した。従って低灌流条件では流れの周波数成分によって末梢血管抵抗や臓器血流量が変動することが判明した。