抄録
広背筋を使用したcardiomyoplastyにおいてpreconditioningや不全心に対する長期補助効果を検討する目的で小型(大きさ115×60×23mm, 重さ197g)の刺激装置を作成した。今回は本装置の機能試験を行うために雑種成犬7頭を用いて左広背筋で健常心にcardiomyoplastyを行い, その心補助効果を検討した。測定項目は駆動前後の動脈収縮期圧(AP-S)・拡張期圧(AP-D)・平均圧(AP-M), 肺動脈収縮期圧(PAP-S)・拡張期圧(PAP-D)・平均圧(PAP-M), 肺動脈楔入圧(PCWP), 右心房圧(RAP), 心拍出係数(CI), 心拍数(HR)である。本装置のテタヌス刺激による広背筋の収縮は良好で, 心臓との同期収縮にも問題なかった。測定結果をpaired wilcoxon法で検定し, p<0.05をもって有意差があると判定したところ, AP-S・-D・-M, PAP-S・-D・-M, PCWP, RAP, CI, HRのいずれもが有意に上昇あるいは増加した。今回作成した小型刺激装置は動物実験用として充分小さく, また広背筋によるcardiomyoplastyを目的とした使用にも耐え得るものであった。