抄録
人工心臓接続部位の評価を目的として、核磁気共鳴四腔断像をもとに房室弁輪の3次元再構築を行ってきたが、さらに胸郭との関係を明らかにするために、脊柱管を基準にした座標系の設定を行った。この座標系では、脊柱管に沿って頭側にZ軸、前方に向けてY軸を設定した。弁輪を通る平面について、X-Y平面とつくる交線がX軸となす角をα、X-Z平面とつくる交線がZ軸となす角をβ、前胸壁となす角をγとした。4人の正常被検者において、僧帽弁輪(MVA)・三尖弁輪(TVA)について、心収縮初期における値を求めたが、以下に示す範囲にあった。即ち、α-MVA: 20.5-39.5度、α-TVA: 26.1-43.5度、β-MVA: 4.7-49.4度、β-TVA: 4.4-40.9度、γ-TVA: 35.2-44.1度であった。
人工心臓を埋め込む空間を考える場合は、心横隔面を基準にして胸壁や房室弁輪を表すことで、考察が容易となることが示唆された。今後、新たに座標系を心横隔面に設定した上で検討を行いたい。