抄録
成人6例の後天性心疾患手術前後に, 計7回のペースメーカー植込み術を施行した症例における臨床上の問題点について検討した結果, 以下のような結論が得られた。
(1)ペースメーカー植込み患者における虚血性心疾患の心電図診断は困難なことも多く, 積極的に冠動脈造影検査を施行すべきである。(2)徐脈を伴う弁膜症例および虚血性心疾患例に対しては, 徐脈の改善時に手術適応の決定を行なうべきである。(3)ペースメーカー植込み患者の心臓手術に際しては, ペースメーカーに対する様々な配慮が要求される。(4)心臓手術後の不安定な血行動態改善のために生理的ペーシングは有効であるが, その実施に当っては不整脈に対する十分な注意が必要である。