人工臓器
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―1本リードの利点と欠点―
下山 嘉章
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1992 年 21 巻 2 号 p. 672-677

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抄録
リード1本にて生理的ペーシングが行えるVDDシステムを, 房室ブロックを呈した17例(男性7例, 女性10例;平均年齢76.6歳, 平均身長152.1cm, 平均体重50.2kg)に対して使用した。いずれの症例もP波に大きな異常はなく, 心房電極を介して得た植込み時のP波は2.2±1.2mVであり, QRS波は感知されなかった。合併症として気胸と本体挿入部の血腫を各1例認めたが経過観察にて軽快した。植込み6ケ月後に心房電極が右房より移動し, VDDモードを使用できなくなった症例を認めたものの, 他の16例では遠隔期のP波の感度は良好でVDDモードの使用に困難を来していない。植込み前後のNYHA機能分類は有意に改善し, 心胸郭比も58.7±6.8%より53.4±7.7%へと有意に改善した。VVIシステムとほぼ同様の手技で行えるVDDシステムは非常に簡便で, 患者のQuality of lifeの向上に貢献していると考えられたが, リードの弯曲等を認める症例があるため今後も十分な経過観察が必要である。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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