1992 年 21 巻 3 号 p. 1007-1010
グラジエント多孔質構造を有し, 薄膜化したPAN大孔径膜(PAN DX膜)を用い, 中空糸の充填率と中空糸のモジュール内部での分散性に着目して, (1)低充填率(60%)のAタイプ, (2)高充填率(66.5%)で中空糸を細い長繊維からなるスペーサーにより均一分散させたBタイプの2種を試作した。これらのダイアライザーを用いて, (1)透析液の流動状態, (2)中高分子領域の溶質のin vitroクリアランスに与える効果を比較検討した。その結果タイプAに較ベタイプBでは透析液の偏流が軽微であった。さらにこのようなモジュール設計による透析液の流れの改善効果は, β2MG, デキストランのような中高分子領域の溶質のクリアランスの向上を可能とすることがわかった。