人工臓器
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Automated Peritoneal Dialysisにおける至適透析条件の検討
熊野 和雄酒井 糾山下 明泰
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1992 年 21 巻 3 号 p. 893-897

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抄録

APDにおける至適透析条件を検討するため注液量、液交換回数と尿素除去能について調べた。また、成人7名、小児4名で液注入最大許容量(MV)と腹腔内圧(IPP)について測定した。平均MVは成人で3730mlで、苦痛なく貯留できる最大量は平均3250mlであった。小児での平均MVは86ml/kgであった。MVの70%がAPDの注液最大量と思われ、60kg: 2800ml, 50-60kg: 2500ml, 小児では60ml/kgであった。貯留液の増加に伴うIPPの上昇は臥位では立位、坐位より明らかに低かった。8時間APDでの至適液交換回数を尿素の総除去量/血中濃度を指標として簡便なモデル式より検討した。至適交換回数は貯留液量、腹膜透過能により異なり、尿素のD/P(2hrs値): 0.6, 0.7, 0.9では各々5-6, 6-7, 6-8回であった。日本人成人のAPD条件は体格、腹膜透過能により異なるが、貯留液量は2000-2800ml, 交換回数は5-8回が至適と思われる。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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