人工臓器
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人工臓器におけるモデルの役割と有用性
―減負荷モデルを用いた虚血再潅流時の心機能回復―
島崎 靖久張 〓嶂金香 充範中埜 粛松田 暉
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1993 年 22 巻 2 号 p. 330-332

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抄録
異所性移植心モデルを用いて、虚血による障害心の再潅流後の心機能回復過程を経時的に減負荷状態で観察し、本モデルの心機能評価のための妥当性と有用性を検討した。雑種成犬を用いて、摘出したドナー心の上行大動脈をサポー犬の腹部大動脈に移植する減負荷モデルを作製した。30分間の温阻血を行い、その後18時間の再潅流を行った。心筋酸素消費量、心機能評価として一回仕事量拡張末期圧容積関係(PRSW)、心筋エネルギー効率を求めた。減負荷時での心筋酸素消費量は再潅流後60分で正常に回復した。しかし、PRSW, 心筋エネルギー効率は再潅流後18時間を経ても前値の各々75%, 78%に留まった。本モデルは減負荷状態で不全心の心機能及び心筋エネルギー効率を評価することが出来、各種心室補助装置による心不全治療の効果判定に用いることが出来ると考えられた。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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