人工臓器
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光架橋性ムコ多糖を用いる新しい癒着防止技術の開発
三輪 裕通松田 武久MJ MOGHADDAM
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1993 年 22 巻 2 号 p. 376-379

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抄録
我々は、手術後の癒着防止を目的として、光架橋性ムコ多糖を用いた癒着防止技術を開発中である。ムコ多糖に光二量化性基を導入し、紫外光照射によりムコ多糖を架橋・ゲル化する技術である。得られた光架橋ムコ多糖フィルムは、光二量化性基の導入率が低いものは、高い水膨潤度を示し、導入率が増加するにつれて水膨潤度の低下を示した。In vitroでの細胞接着性は、水膨潤度の低下にともない非接着性から接着性へと変化した。ラットを用いたIn vivo実験において、光架橋ムコ多糖フィルムは組織非接着性と生分解性を示し、癒着防止材として有用であると考えられた。また、光架橋性ムコ多糖緩衝溶液をIn situで紫外光照謝しゲル化する技術は、内視鏡下手術等への広範囲の応用が可能であると考えられた。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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