人工臓器
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光反応による細胞接着性表面形成技術の開発
高塚 旨寛松田 武久
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1993 年 22 巻 2 号 p. 403-406

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抄録
本研究は成型加工したデバイスの任意の部位に細胞接着性あるいは非接着性を付与できる材料の合成と表面加工技術を開発することを目的とした。合成した高分子はフェニルアジド基とサクシニイミド基を側鎖に有するビニル共重合体である。前者の官能基は紫外光照射により基材と共有結合し、後者の官能基は活性水素化合物と共有結合する性質を有する。上記のポリマーはコーティングし、光照射することにより基材表面に化学固定化された。細胞接着ペプチド(GRGDS)及びフィプロネクチンは共重合体側鎖の活性エステル基と反応して化学固定され、これらの造膜面では細胞接着性表面が形成できた。一方、親水性基やアルブミンを化学固定すると、細胞非接着性表面が形成できた。またフォトマスクを用いると表面微細加工ができた。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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