1993 年 22 巻 3 号 p. 620-623
新しく開発された大動脈内バルーンポンプコラートBP-1を教室および関連2施設において7症例に使用し、自動モードにおけるパルーンタイミングと自動ボリューム・ウィーニング機能を中心に検討した。自動モードとマニュアルモードである心電図トリガーモードの両モードにおける血行動態の比較では、心拍出係数、肺動脈楔入圧とも両モード間に有意の差を認めなかった。自動モードにおけるバルーン駆動タイミングは、dicrotic notchとballoon inflateの時間の差およびECGのR波とballoon deflateの時間の差からみるかぎり、そのばらつきはきわめて少なかった。自動ボリューム・ウィーニング中における拡張期のaugmentation圧は時間とともに減少する負の直線相関関係を示した。以上より、コラートBP-1の自動モードにおけるバルーンタイミングは安定しており、自動モード駆動においてもマニュアルモードと同等の心補助効果が得られ、また自動ボリューム・ウィーニングを使用することによりIABPからの無段階的なウィーニングが可能であると考えられた。