人工臓器
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ポンプ作用を持つIABP用バルーンの考案
―逆流防止用バルーン弁付きIABP
山崎 健二梅津 光生小柳 仁新浪 博八田 光弘西田 博中野 清治北村 昌也田鎖 治橋本 明政石原 和明遠藤 真弘
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1993 年 22 巻 3 号 p. 730-733

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抄録
ポンプ作用を持っバルーンとして, 従来のバルーンの末梢側に弁用小バルーンを持つIABPを考案した。このバルーン弁は本体バルーンdeflate時に弁として働き, 末梢側からの逆流を防ぎ, 中枢側の圧を下げ, より後負荷軽減効果を高める作用を持つ。このバルーン弁を持つことによりIABPは, 大動脈弁を流入弁,バルーン弁を流出弁, 胸部大動脈をケーシングとする一つの容積式ポンプと見なすことができる。このバルーン弁は本体バルーンとは完全に独立して制御できるように駆動ケーブルは二連重管になっている。本体バルーンは容量20cc, 弁用バルーンは容量は6ccである。駆動装置は一台で二つのアクチュエーターを持ち二つのバルーンを独立して駆動でき, 同期させた上, 自由にタイミングを設定できる(日本ゼオン社製)。成犬を用いた動物実験ではmain balloonを作動させることにより収縮期圧は160mmHgから150mmHgに低下し, 拡張期圧は125mmHgから175mmHgに増大した。さらにvalve balloonをmain balloonより100msec遅れてdeflateさせることにより, さらに-10mmHgめ収縮期後負荷軽減効果を得た。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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