人工臓器
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連続の式を用いたドップラー心エコー法による大動脈弁位人工弁の機能評価
高味 良行有木 弘宮田 義弥大宮 孝石原 智嘉伊藤 敏明
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1993 年 22 巻 3 号 p. 785-788

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抄録

大動脈弁置換術後65症例に連続波およびパルスドップラー心エコー法を施行し、大動脈弁位人工弁の評価法としての連続の式を用いた指標:有効弁口面積(EOA), Doppler velocity index(DVI=V 1max/V 2max), 大動脈弁狭窄率(aortic stenotic ratio(ASR)=EOA/LVOTA=V1 flow integral/V2 flow integral)の有用性について、Bernoulliの式を用いた圧較差(maxPG)と比較し検討した。(1) maxPG, EOAは、弁のサイズに強く影響され、DVI, ASRは、弁のサイズと無関係であった。(2) EOA, DVI, ASRは、maxPGと有意に負の相関を示した。(3) 種々の理由で人工弁を通過する血流量が少ないために、lnaxPGが低く算出され、連続の式の指標との間で不一致を示す例で、人工弁の開放角の低下が示された。(4) 人工弁の機能異常を示唆する指標として、DVI<0.25, ASR<0.27が得られた。以上より大動脈弁位人工弁の機能評価には、影響因子が多いInaxPGよりも、連続の式を用いたDVI, ASRが簡便かつ有用と考えられた。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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