人工臓器
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Carbomedics弁による僧帽弁置換症例の経食道および体表面心エコーによる弁機能の評価
渡辺 正明岩谷 文夫猪狩 次雄萩原 賢一丹治 雅博佐戸川 弘之緑川 博文佐藤 洋一小野 隆志高瀬 信弥津田 晃洋小川 智弘星野 俊一
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1993 年 22 巻 3 号 p. 789-793

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抄録
僧帽弁位にCarbomedics弁を使用して弁置換術を施行した42症例について, 術後約2年以内の遠隔期に体表面(TTE)および経食道心エコー法(TEE)を用い弁機能につき検討した。最大圧較差, 平均圧較差はそれぞれTEEに比しTTEで高値をとる傾向にあったが, 平均圧較差で10mmHgを越える症例はなく, 25mm, 27mmにおいてはTEEとTTE問に正の相関を認めた。有効弁口面積はTTEに比しTEEで大なる傾向がみられ, TEEでは25mm, 2.96cm2, 27mm, 3.24c2, 29mm, 3.64c2と弁サイズのアップとともに増加した。TEEとTTE問に各弁でともに正の相関を認めた。左室流入部における最大流速はほぼ正常範囲内にあり, TEEに比しTTEで速い傾向にあった。人工弁の生理的逆流はカラードプラー法によりTEEのみ検出可能であったが, 逆流面積, 到達距離とも弁サイズに相関しなかった。僧帽弁位に使用したCarbomedics弁の弁機能は満足できるものであり, TEE, TTE両方にて弁機能を評価することが有用と考えられた。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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