人工臓器
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心室細動に対する第三世代植込み型除細動器の臨床経験
有用性および問題点について
渡辺 弘林 純一岡崎 裕史諸久 永篠永 真弓宮村 治男江口 昭治
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1993 年 22 巻 3 号 p. 843-847

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抄録
致死的不整脈である心室頻拍(VT)・心室細動(VF)に対して植込み型除細動器(ICD)の有効性が知られているが、われわれはVF症例に対して第三世代ICDの植込みを行った。症例はVF4例、多形性VT/VF2例で、年令は14~73歳(平均56歳)、左室駆出率は19~73%(平均4 7.5%)であった。PCD7217B (Medtronic)の植込みを行い、5例でnon-thbracotomy lead systemによる非開胸的植込みに成功し、1例で開胸的植込みを行った。手術死亡・遠隔死亡はなかった。合併症としては創のロ多開のため皮膚の再縫合1例、SVCリードの位置の移動のため再固定施行1例であった。除細動閾値(DFT)測定時に心拍出量の低下が認められる場合があった。PCDは第三世代のICDとしての利点を有するが、本体の小型化、より安全なDFT測定法の開発が望まれる。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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