抄録
経静脈ポリウレタン被覆心房電極382本を対象として, リード不全による電極使用中止の時点を電極の寿命と定義し, 電極の耐用率をKaplan-Meier法にて算出して比較検討した。モデル別の耐用率は, 6991U型では12.5年にて38%, 6990U型では14年にて93%, 4502型では11年にて91%, 4512型では9年にて87%, 4504型・4524型ではおのおの4年・2年まで100%であった。6991U型の耐用率は他のモデルと比較して, 有意に(p<0.01)低値を示し, 今後も注意深い観察が必要と思われた。その他のモデルの耐用率は良好であった。また全心房電極の耐用率は5年にて97%, 10年にて85%, 14年にて77%であり, 平均耐用年数は12.8年であった。現時点において, ポリウレタン被覆心房電極の10年以上の耐用率は不良であると思われた。